あかりかたりのある古澤家について

あかりかたりの名前の由来

あかりかたりのある「古澤家」は、柳川市旭町にある築100年を超える古民家です。

何回か増改築を経ていますが、明治後期に建設された部分と昭和初期に建設された部分があります。古澤氏のご先祖は、江戸時代には足軽で、明治時代に士族に編入されましたが、平行して提灯はりの仕事もしていたそうです。「あかりかたり」の名前はそこから生まれました。

隠居通りに佇む古澤家

賑わう京町商店街の北側に並行して走る小さな路地。
あかりかたりのある古澤家の面する通りは、古地図には「隠居通り」と書かれています。

隠居通りに面する浄華寺は、慶安4年(1651年)に、同じく通り沿いにある西方寺第5代住職を隠居した権大僧都法印慶順によって開かれたものです。「隠居通り」はここから生まれた名前です。

東に向かうと、高畑公園と三橋神社、西に向かうと江戸時代に創業し、300年以上ものれんを守ってきたうなぎの「本吉屋」さんの他、水引屋 MIGLIOBEさんのアトリエ兼ショップなどもある、地元の人もあまり知らない、オススメの散歩道です。

通りからは見えませんが、奥には庭が広がっており、庭に面してお縁が回っています。 

古澤家の内部

そして、古澤家の特筆すべき点は建具です。寺社建築でよく見られる花灯窓があったり、板戸に絵が描かれていたり、当時の一般住宅では珍しい造りが見られます。 

ゆがみガラスや結霜ガラスなどを用いた建具も残っており、味わいのある空間となっています。 

また床の間廻りは、黒檀や台湾桧、桐などの銘木がふんだんに使われ、違い棚の襖には花鳥風月が描かれ、彩を添えています。